| | 知的財産権侵害を発見したときにまずとるアクションが警告書の送付だろうと思います。何気なく警告書を出してしまうと後で厄介な問題が生じることもあります。最低限どういう点に注意すればいいのでしょうか。
警告書送付に関係する法律としては不正競争防止法と民法があります。 まず不正競争防止法をみていくと
2条1項13号は「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」を不正競争行為としています。警告書送付がこの不正競争行為にあたる場合があります。
そして不正競争行為にあたる場合どうなるかというと そういう行為をやめるよう求められたり(差止請求−3条) 損害賠償請求(4条)をうけます。
そして差止請求については警告者の不注意(過失)は問いませんが、 損害賠償の方は警告書に過失がない場合は請求されないことになっています。
次に民法はどうかというと 警告書送付が709条の不法行為にあたる場合があります。 不法行為にあたる場合どうなるかというと 損害賠償請求をうけることになります。なお民法上の不法行為にあたることを理由として差止請求をうけることはありません。
民法はさておいて不正競争防止法にもとづいて警告書送付が問題とされる場合、どういうフローチャートで考えたらいいでしょうか。
まず「不正競争行為にあたるか」を検討するといいでしょう。 不正競争防止法2条1項13号の条文から明らかなように 不正競争行為にあたらないのは警告内容が「営業上の信用を害する虚偽の事実」ではない場合か、そもそも「告知」の事実がない場合です。
不正競争行為にあたらない場合は何の問題も生じません(正当な警告です)。 不正競争行為にあたる場合には、次に「警告者に過失があるか」を検討するといいでしょう。
過失がない場合は損害賠償請求はできず差止請求のみになります。 過失がある場合は損害賠償請求ができるので次に「損害額はいくらか」という問題になるわけです。
では実際の訴訟で警告書送付はどのようにとりあげられることが多いのでしょうか。
後でみるように警告書送付が不正競争行為にあたるとしても、とれる損害賠償額はかなり低額になっています。そこで警告書送付だけを独立してとりあげれ損害賠償請求訴訟を起こしても費用対効果の点で問題があります。
そこで実際は相手が侵害訴訟を起こしてきたのに対抗して侵害でないのみならず、そもそも警告書送付が不正競争行為であるとして損害賠償請求をする(反訴)ことが多いといえます。
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